8/25/2015

WozとALTAIR

ALTAIR8800というと、ポール・アレンとビル・ゲイツが見たこともない装置のBASICを書いたという伝説(事実)が有名だが、 のちにApple Computerを興すことになるウォズとジョブズも関係していたことが「アップルを創った怪物」に記載されている。

当時二人は、ホームブリュー・クラブに所属しており、ガレージで開催されていた会合には毎回30名程度が 参加していたという。ウォズとジョブズも、アレンとゲイツが読んだ「ポピュラー・エレクトロニクス」誌を読み、 ニューメキシコ州のMITS社と同社が開発したALTAIR8800の存在を知っていた。 ある日、その会合で8008マイクロプロセッサーの技術仕様が書かれたデータシートが配布された。 それを持ち帰ったウォズは、中に「メモリー内容をAレジスタに加える命令」があることに気がつく。 「アップルを創った怪物」から引用する。

えー!って感じさ。だからどうしたって思う人がいるかもしれないけど、この命令が何を意味するのか、僕はよくよくわかっていた。あのときほど興奮したことはなかった。それほどの発見だったんだ。 (中略) 可能性は無限だ。そのためにアルテアを買う必要なんてなかった。 全部、自分で設計すればいいんだ。 その夜、最初の会合があった日の夜、このとき、パーソナル・コンピュータと言ってもいいビジョンが僕の頭の中に浮かんだんだ。ボンっとね。そんな感じさ。 そしてその夜、僕は、のちにアップルIとして世に出るもののスケッチを書き始めた。

「メモリー内容をAレジスタに加える命令」について、アレンが書いた「アイデア・マン」に同一のより詳細な記載がある。 アレンもまたそれを見て一瞬ですべてを理解したことがわかる。 しかし、二人の天才の行動は大きく異なった。 アレンは、ALTAIRで動作するプログラムを書くことを考えたが、 ウォズはプロッセッサを含む装置(のちのパーソナル・コンピュータ)を「創る」ことを考えた。 それが、後のマイクロソフトとApple Computerにつながる。

Apple Computerとマイクロソフトを知らない人はいないが、MITS社のことを知る人はほとんどいないだろう。 MITS社こそが真の意味でパーソナルコンピュータの生みの親であり、「歴史を変えた会社」であると思う。 そのMITS社に起こったことについて、後日紹介したい。

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