8/27/2015

2015年、人々はシステム化の幻想にとりつかれ、いつしか人はシステムに使われるようになった

4月から職場と仕事が変わった。現在の仕事の内容は、ほとんど何でも屋だが、一言でいうと「営業」に近い。 これまでもデジタル放送の仕事など、内容が技術的で営業がわからないものにについて、 担当としては設計だが、提案など営業的活動を行ってきたことはあった、というか、ほとんどそうだった。 ただ、提案書作成や顧客説明はやっても、契約締結や利益管理、見積作成などは、営業本来の仕事として 携わったことはなかった。 しかし、今は営業的業務がメインなので、一日の大半をそれに割いている。 素人なので大変だ(笑)。

営業の業務では、契約が決裁が重要となる。 それらの業務は、対応するシステムがあり、システムにログインして行う。 そのため業務の内容の他に業務を行うシステムを理解しなければいけない。 多分、どこの会社でも同じと思うが、そうしたシステムの使い勝手は必ずしも良くない。 良くないけれど使わないわけにはいかないので、文句を言いながら工夫して使うのが 一般的だろう。

自分も毎日、RPGをやっている感覚で、まわりの人に聞きながら「電子決裁」システムを使っている。 使いながら「電子決裁システム」の本質がわかってきた気がする。 「電子決裁システム」の基本的な要素(機能)は以下にまとめられると思う。

  • 組織階層と権限内規に基づいたユーザ管理
  • ID管理(特に決裁番号の払い出し)
  • 情報のレイアウト
  • 文書の印刷
  • ファイルサーバー(様式、テンプレート、決裁文書)
  • 定義されたフローに基づき処理を回す

上記が複雑に絡み合って「電子決裁システム」を構成しているが、本当に「電子化」されるべきなのは、 「ID管理」ではないかと思う。 ID管理だけ、Excelで行い、あとは、20年(もっとかな?)以上前の紙の世界に戻したほうが、 実は業務が効率化する気がする。

利用イメージ

  • 決裁様式は、Word, Excelその他で作成し、ファイルサーバに保存しておく
  • ファイルを編集して印刷、あるいは様式に手書きして起案する
  • フローに従い承認してもらう
  • 決裁が完了したら総務担当(相当)が発番、ファイリングする

最初から電子決裁システムを使っている人は、「なんだそれ、ありえない」と思うかもしれないが、 メールやネットがない頃は、どんな大きな会社でもこのように回していた。だから、 できないことはない。「効率」については、ケースバイケースで、中には、電子決裁システムが 優れている部分もあると思うが、平均をとると電子化していないほうが効率が良いと自分は思う。

「もし」、本当に電子決裁をやめたら何が起こるかというと、「社員が話をするようになる」 (今は、「システムの運用担当に連絡してください」とか「マニュアルを読め」と言われる)。 昔の会社では、総務の人と話をしない日はなかったし、社員どうしもっと話をしたものだ(年寄り臭いけど、本当)。

「システム化」は、本当は人がゆとりを持つためのものだったはずだが、 いつのまにか義務となり、人がシステムに合わせることを強いられている、 「システムに人が使われている」そんな気がする。

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